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北朝鮮の国家戦略とパワーエリート

北朝鮮の国家戦略とパワーエリート

著者 玄 成日(ヒョン  ソンイル)
訳者 北朝鮮難民救援基金翻訳チーム
企画発行 北朝鮮難民救援基金
ISBN978-4-88471-442-0
定価 3,240円(本体:3,000円+税)
四六判 432頁 ソフトカバー

内容紹介
 テレビを始めメディアに登場する北朝鮮問題専門家たちは、北朝鮮の分析をよく誤る。例えば2012年12月、金正日書記が死去した後、「8人の集団指導体制」による国家運営を推測したが、その後の展開は予測を裏切った。後継者となった金正恩と80歳を超える高齢の党書記、金基南と崔泰福だけが残り、それ以外の5人は、粛清されてしまった。
 そうした分析がなぜ誤るのか。それは北朝鮮の基本的な国家戦略を正しく理解していないからである。分析を間違えば、当然分析も対処も間違ってしまう。
 本書は、北朝鮮で超エリートの道を歩んできた著者が書いているだけに、今までわからなかった北朝鮮の国家戦略を知ることができる。また拉致問題が北朝鮮の国家戦略として設定され、実行されたことも理解できる。北朝鮮の実像を知り、今後の展望などを分析する上で貴重な一冊である。

推薦
著者は超エリートとして要職に就き、北朝鮮の幹部養成、選抜、登用と管理の実際を学んでいる。北朝鮮での体験を基本に北朝鮮を分析したところに本書の特徴がある。「これまでにない斬新な視点を提供した」と注目を浴びた。
本書は2007年8月に韓国で出版され、この種の専門書としては珍しく3版を重ねた。今回日本語版を出すに当っては、新たに金正恩体制の章を加筆し、本書の魅力である説得力と生命力を持ち続けるよう配慮した。北朝鮮問題専門家には、本書で北朝鮮の国家戦略をきちんと知って日本の国家運営(拉致問題も含め)を間違わないようにして欲しい。

プロフィール
玄 成日(ヒョン  ソンイル) 著者紹介
著者の父親は「抗日革命烈士」である。その父親は解放後に万景台革命学院、政府護衛総局、東欧留学、労働党中央委員会組織指導部長、第一副部長、幹部部長、検閲委員長、道党責任秘書など権力の中枢に長年身を置いてきた。著者は、こうした権力特権層家族であることから、平壌南山高等中学校、金日成総合大学英文科を卒業、同大学の教員、外務省およびアフリカのザンビア駐在外交官として勤務する特権を享受し、その後韓国に亡命した。

目 次
まえがき   3
日本語版へのまえがき   8
第1章 序論   17
T. 国家戦略とエリートの相関関係に関する理論的考察   19
1. 国家戦略と幹部政策の理解   19
2. 北朝鮮の権力エリートと幹部政策   22
U. 旧ソ連と中国の国家戦略と幹部政策   27
1. 旧ソ連   28
2. 中国    32
V. 研究方法   43
1. 先行研究の検討   43
2. 研究方法と範囲   46
第2章 金日成政権の国家戦略と権力エリート   51
T. 金日成唯一支配体制確立   53
U. 段階別国家戦略   59
1. 反帝反封建民主主義革命(1945.8〜1947.2)   59
2. 赤化統一の試み(1947.3〜1953.7)   61
3. 朝鮮戦争後復旧建設と社会主義革命(1953.8〜1961.9)   65
4. 社会主義建設と自主路線(1961.10〜1970.11)   66
V. 幹部政策の定立と権力エリート   71
1. 体制形成期   72
2. 体制強化期   78
3. 人事制度確立   89
第3章 金正日後継体制と国家戦略   93
T. 金正日唯一指導体制確立   95
1. 権力世襲の背景と課題   95
2. 首領絶対主義体制の確立   97
3. 唯一指導体制構築と権力掌握   101
4. 後継体制の強化   112
U. 国家戦略の継承と検証(1970年代)   117
1. 対内戦略   117
2. 対南・対外戦略   119
V. 国家戦略の持続と変化(1980年代)   123
1. 対内戦略   123
2. 対南・対外戦略   125
W. 体制防衛戦略への転換(1980年代末〜1990年代初)   131
1. 対内戦略   131
2. 対外戦略   135
3. 対南戦略   145
第4章 金正日後継体制と権力エリート   147
T. 幹部政策の持続と変化   149
1. 首領絶対主義体制確立と忠実性原則   149
2. 唯一指導体制の確立と派閥形成遮断の原則   151
3. 国家戦略継承と元老優待政策   155
4. 国家発展戦略と専門性   157
5. インテリ政策と広幅政治   162
U. 人事制度   167
1. 人事体系と手続き   167
2. 種類別人事過程   174
V. 側近政治と権力エリート   183
1. 側近政治の出現   183
2. 側近抜擢と登用   186
3. 側近管理   206
第5章 金正日政権の国家戦略   217
T. 苦難の行軍と遺訓統治   219
1. 遺訓統治の背景   219
2. 危機克服と軍部統治   221
3. 遺訓貫徹と対内外政策   224
U. 金正日政権スタートと国家戦略の変化   227
1. 国防委員会体制スタートと国家機構改編   227
2. 権力構造の変化   230
3. 国家戦略の目標と強盛大国建設   234
4. 先軍政治と実利主義   239
V. 体制安保戦略   243
1. 統治理念と洗脳   243
2. 統制と外部思想遮断   250
3. 軍事力強化   253
W. 経済発展戦略   257
1. 内閣の権能強化   257
2. 経済改革と実利中心原則   261
3. 変化の背景と限界   267
X. 対外・対南戦略   271
1. 核外交と対米戦略   271
2. 対中国戦略   280
3. 対南戦略   287
第6章 金正日政権の権力エリート   295
T. 体制防衛と権力エリート   297
1. 実力第一主義と幹部政策   298
2. 世代交代と権力エリート   308
3. 側近政治と体制防衛   314
U. 政策決定と権力エリート   325
1. 政策決定の構造   327
2. 政策決定過程   338
3. 政策過程の評価   351
第7章 金正恩政権の国家戦略と権力エリート   355
T. 金正恩後継体制と体制防衛戦略   357
1. 三代世襲体制出現の背景と過程   357
2. リーダーシップの危機と後継戦略   361
3. 後継体制の登場と権力継承   368
U. 金正恩政権の権力構造と国家戦略   381
1. 金正恩政権のスタートと「党=国家体制」の復活   381
2. 金正恩政権の権力構造変化   384
3. 金正恩政権の国家戦略と政策基調   390
4. 金正恩政権の安定性評価と今後の展望   394
章 結論   399

参考文献   411
1. 韓国内文献   412
2. 北朝鮮文献   419
3. 外国文献   423
4. その他資料   425
著者紹介   426
監修者あとがき   427
翻訳を終えて   430

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