書籍のご案内

“こころ”だって“栄養”がほしいよ!

“こころ”だって“栄養”がほしいよ!

978-4-88471-473-4

著者:阿部和子

監修:後藤 剛

定価:880円(税込)

A5判 並製 96ページ

偏った食生活が、うつ病など心の病気と密接に関連することを栄養管理現場での長年の実践に基づき解説し、具体的な食生活を提案する。

 

内容

近年、精神栄養学の研究が進み、偏った食生活は肥満、糖尿病、高血圧などの生活習慣病の原因になるだけでなく、うつ病などこころの病気と密接に関連することが明らかになってきています。

私たちのこころの状態は、脳のはたらきにより感情の起伏が生じます。その脳のはたらきとは、神経伝達物質が脳の神経細胞から神経細胞へと受け渡されることにより生まれるのです。その神経細胞は、アミノ酸をもとにビタミン・ミネラルによって合成されて作られます。元をたどれば、これらはすべて私たちが食べたものです。

偏った食生活をしていると、脳に栄養不足が生じ必要な神経伝達物質が十分に提供されなくなります。その結果、脳のはたらきに影響が出て、からだだけでなくこころにも様々な症状が現われてきます。

本書は、偏った食生活がこころやからだにどのような影響があるのかについて、低血糖症や腸内細菌、水分補給なども含めて分かりやすく説明しています。加えて、バランスのとれた食生活を具体的に提案し、より健康的で前向きな生活を目指していただきたいと考えてまとめました。

1人でも多くの人のこころが、元気になることを願っております。

  

目次

Ⅰ 朝食の大切さ

 1 体内時計のはたらき

 2 こんな生活習慣の見直しを

 3 朝食は体内時計リセットのカギ

 4 朝食の簡単レシピ

 5 朝食を食べるメリット

 6 朝食抜きのデメリット

Ⅱ 糖のとりすぎによる低血糖症は怖い

 1 糖質のとり過ぎが招く血糖値スパイク

 2 低血糖症を防ぐ食生活

 3 食べる順番で血糖値が変わる

Ⅲ 脳内神経伝達物質をつくる栄養素

 1 脳に必要な栄養素 -脳のしくみを車にたとえると

 2 神経伝達物質のもとになるタンパク質(アミノ酸)

 3 神経伝達物質の合成に必要な微量栄養素

 4 脳に大切な脂質

Ⅳ 腸内環境が決める“こころ”と“からだ”

 1 すべての病気は腸で始まる

 2 腸はこころとからだを元気にする

Ⅴ 腸内細菌と短鎖脂肪酸

 1 腸内細菌のことを知ろう

 2 健康をつくる善玉菌と短鎖脂肪酸

Ⅵ もっと伝えたい!こころとからだに必要なこと

 1 7番目の栄養素『フィトケミカル』

   基本のフィトケミカルスープの作り方

 2 水分補給について

 3 人工甘味料の甘さに注意!

 4 食品添加物ってなんだろう

 5 よくかむことは大切

おわりに

 

監修

後藤 剛 (ごとう つよし)

山形県山形市生まれ。東北大学教育学部と自治医科大学医学部を卒業。

山形県内の医療へき地で総合内科医として勤務し、また山形県立鶴岡病院で精神科医としての研鑽を積み、2013年から山形さくら町病院で精神科専門医として勤務。

2015年、山形県内初のリワークプログラム(うつ病休職者向けの復職支援プログラム)を立ち上げた。山形さくら町病院の専門スタッフと協力しながら、現在もプログラムを運営している。

心の病気を抱える働く人、働きたい人に対する治療を続ける中で、職場の中でのメンタルヘルス対策の重要性を痛感。現在は産業医・健康管理医として約40事業所を訪問し、職場内でのメンタルヘルス体制の構築に日々取り組んでいる。

〔主な資格〕

精神科専門医、精神保健指定医、労働衛生コンサルタント

〔所属学会〕

日本うつ病リワーク協会評議員

日本産業精神保健学会代議員

集団認知行動療法研究会世話人

  

著者

阿部 和子(あべ かずこ)

社会医療法人二本松会山形さくら町病院管理栄養士

日本栄養士会会員、日本精神科医学会認定栄養士、山形県糖尿病療養指導士

精神科チーム医療における栄養管理の取り組みにより、「山形県知事感謝状」「山形県精神保健福祉協会十束賞」を受けた。

勤務病院で復職支援(リワーク)プログラム立ち上げから栄養講座を担当するとともに、精神症状改善に栄養管理が必要であることを、学会や研修会で情報発信してきた。

*復職支援に向けた取り組みについては、「臨床栄養」の2018年6月号にも掲載された。

〔所属学会など〕

日本公衆衛生学会、日本栄養改善学会

東北精神保健福祉学会(元理事)

全国精神科栄養士協議会(元幹事)

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