ど真ん中を歩けば引きこもりは消える 令和のヤマトタケルらに捧げる地図
9784884714666
著者:佐藤康則
定価:1,000円(税込)
A5判 並製 80ページ
まえがき
日本にはすでに「引きこもり」とされている人が、110万人を超えています。その原因は、何でしょうか? また、全て解決することは、出来るのでしょうか? また出来るとすれば、それはいつまでに解決させることが可能なのでしょうか? そして、新たな引きこもりが生まれないようには、どうすればいいのでしょうか?
この問題の根をみんなで共有し、国全体として、何か有効な手立てを打っていかなければ、引きこもりの数は、ますます増えていくのだろうと思います。
福祉の領域や、国の引きこもり政策の中で、直接の支援をしている方が、全国にはたくさんいらっしゃいます。それは、必要な支援です。
そうしたサポート無くして、苦しんでいる本人を、社会へ戻し、自立した生活を送らせることは困難ですが、その個別の努力だけでは、110万人に膨らんでしまった「引きこもり」の全てをなくしてしまうことが、出来ないように思えます。もっと大きな視野で、この問題を把握し、解消していくためのグランドデザインを描くことも、一方で、とても大切なことではないでしょうか?
私は、自身のカウンセリングという仕事を通じ、多くの方の人生に触れ、おそらく、このような職業でなければ理解し得なかっただろう「人間」というものを学んできました。そして、そこから導かれた「発見」を用いて、「令和の日本」のことを、よく考えるようになりました。 本書は、私のチャレンジです。常識に囚われることなく、また常識から外れることなく、どなたでも理解できるような言葉で、「引きこもりが日本から一人もいなくなるための地図」を書ければいいなと思います。
内容
「引きこもり」110万人超。約半分が若者で、約半分が働き盛りの人です。なぜここまで増えてきているのでしょうか。著者はカウンセリングを通じて、その原因のほとんどは「両親との関係性」にあることを発見、決して子供だけに焦点を当てる問題ではないと言います。それを示すのがタイトルにある「令和のヤマトタケルらに捧げる地図」です。
「引きこもり」の解消は本人が自立し幸せな社会生活が送れるようになることです。しかし様々対策がなされる中、なぜ増えているのでしょうか、それは日本自体が「引きこもりを生んでしまう病」にかかっているからだと指摘し、その理由も仮説を立てて説明しています。
ではどうするか。
著者は言います。日本という体に「美しい血液」を取り戻すより他、方法はないと考えています。そして、その「美しい血液」は、四季を愛し、山や川を愛し、自然の一部として、大地と調和して生きる精神であり、武士道精神であり、そして、無私の天皇をいただく国として、米を大切にし、清く明るく、お互いを家族として支え合う精神です。それは、取りも直さず日本という国に、「国家理念」を取り戻すための一大事業といえます、と。
それが「令和のヤマトタケルらに捧げる地図」なのです。
目次
引きこもりが生まれる原因
時代の変遷と仮説①
時代の変遷と仮説②
時代の変遷と仮説③
HSP(ハイリーセンシティブパーソン)
宗教があるようでないような日本
武士道精神
これからの日本
これからの教育①
これからの教育②
これからの教育③
これからの教育④
令和に生きる
カウンセリング
あとがき
コメント
表紙のデザインを見て漫画かなと思った方もおられると思います。令和の若者がヤマトタケルになって活躍する姿を描いたものです。「引きこもり」の子供達、また働き盛りの人を抱えるご家族は、なんとか自立して自分の人生を歩んでもらいたいと苦しみの中で願っておられると思います。苦しみをご家族だけに押し付けてはいけないという著者の強い願いが込められているのです。
世界のどことでも繋がる時代なのに、心の孤独になったり、便利なのに幸せ感がなかったり、仕事に対する価値観を失ったり、日本人としての誇りを失ったり、そんな日本でいいのかということです。若者よ、自らが令和のヤマトタケルになって立ち上がって欲しいと願っているわけです。もちろん願うだけではなく、日本の「引きこもり」を解消する具体的な提言を、教育、政治、憲法などで行っています。
著者は経営者でもあり、普段なかなか言えない中小企業経営者の思いも書いています。思わず「その通り」と同感するはずです。80ページですが、中身の濃い本です。
著者
1974年生まれ。福島県郡山市出身。大学を卒業後、フリーターを経て、平成12年2月に両親の経営する文房具、事務機器会社((株)ぱるる)へ入社。平成26年8月に代表取締役就任。平成29年5月に内観やカウンセリングを行うために菩耶樹(株)を設立。平成30年1月より、自己実現をお手伝いするためのセミナー「れんの学校」を始める。著書『瞑想の先』(高木書房)。