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司馬さんに嫌われた    乃木・伊地知両将軍の無念を晴らす

司馬さんに嫌われた    乃木・伊地知両将軍の無念を晴らす

ISBN978-4-88471-807-7

著者:西村 正

定価:1,760円(税込)

46判 ソフトカバー

乃木・伊地知両将軍の無能論に終止符
司馬さんの超大作『坂の上の雲』で描かれている旅順要塞攻略の真相を明らかにしたいと、著者は真実追求の旅に出た。司馬史観を信じていた著者の一大冒険であった。戦いの現場に立ち、司馬さんが目にしなかった資料を含め、得た資料を読み解き、地図を描き、第三軍の動きを徹底的に追ってみた。歴史の真実は、決して乃木・伊地知両将軍は無能ではなかった。日露戦役後111年目の平成28(2016)年に、新たな歴史の光が射しこまれた。

本書を書き上げた著者の願い
歴史小説とは言え、多くの読者は『坂の上の雲』を歴史の真実として受け止めているのではないだろうか。著者自身もその一人だった。しかし、少なくとも司馬さんが描いた旅順要塞攻略戦は、歴史の真実ではなかった。そのことを司馬ファンにもぜひ知って欲しいと著者は願っている。

著者
西村 正(にしむら ただし)
医師 専門は消化器科・肛門外科。昭和23年 兵庫県生まれ。奈良医大卒、阪大大学院修了、消化器外科の関連病院勤務の後開業医となる。子供の頃から歴史好きで、特に明治期の国家興隆、民族勃興に興味を持つ。司馬史観で、ステレオタイプの名将東郷平八郎提督、愚将乃木希典将軍が刷り込まれる。それを打ち壊す新事実が出てくるようになり大いに困惑。一から再勉強を余儀なくされ、本書の執筆に至った。

目次
第一章 第三軍戦いの舞台、旅順へ検証の旅に出る
第二章 旅順攻略戦以前より苦難を運命ずけられた第三軍
第三章 旅順要塞攻略は東北方面と決めた乃木軍
第四章 第一回総攻撃(8月19日~22日)
第五章 第一回失敗の反省と第二回総攻撃及びその前哨戦
番外章 砲兵出身陸上自衛隊高官から学ぶ
第六章 またも失敗した第三回総攻撃(11月26日~12月5日)
第七章 救世主として描かれた児玉源太郎神話
第八章 旅順陥落とその後―乃木、伊地知に思いを馳せ
第九章 機密日露戦史いわゆる『谷戦史』の深い闇
第十章 司馬さんの大解剖―思想の根底に何があるのか
終 章 戦後民主主義と司馬さん

『坂の上の雲』は歴史書ではなく、小説である
旅順攻略戦は日露戦争のハイライトの一つである。
旅順攻略戦はその膨大な犠牲者ゆえに朝野から批判を浴びたのは事実である。
だからといって、旅順戦の乃木希典、伊地知幸介を、事実を曲解し、不当に落としめてよいはずがない。
『坂の上の雲』は歴史書ではなく、小説である。小説である以上売れなければならないし、面白くするためには創作が必要であるという自明の理を長い間私は考えていなかった。
私は「真実に百パーセント近い」という製造メーカーの保証書をうのみにして、製品を吟味しなかった無知な消費者だったのだろうか。
映画のように「この作品はフィクションであり実名を使っていますが、事実とは関係ありません」というキャプションを製造メーカーに入れろというつもりもない。
本当に賢明な消費者は、製品を手に取って吟味し、試用し、他製品と比較対照し、自分の頭で考え、自己責任で購入するものだ。 歴史小説という「知的製品」を初めて手にした時も、同じような心構えが必要なのではないだろうか。(本文より)

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